アールプロセスでは、Autodesk社の3Dモデリングソフトウェア 3ds Maxを導入しています。写真撮影と弊社が得意とする画像処理技術とのコラボレートによって、デザインの検証やイメージ素材づくりに活用しています。
〈活用例1〉デザインの検証に
特殊な形状の印刷物は、デザインを検討する際に数回の色校正と試作を経て最終的なデザインを決定していきます。弊社では、デザインの初期段階においては、3Dソフトを活用した検証を行うことで、色校正や試作の回数をおさえて、コストと時間を圧縮することができます。
下記の十二面体カレンダーを例にとると、色調や文字の大きさ、読みやすさなどデザインを検討するには、カンプを出力して切り抜いて試作することになります。デザインは複数案出すことが多いので、仮に3案分出したとしても、それなりの労力になります。さらに、「やっぱりこの書体じゃ見にくいな」となると、もう一度、3案分の試作となります。こうなるとデザインの幅を抑制してしまう可能性さえ出てきます。
そこで、試作前に展開データから3Dソフトによるモデリングを行って検証することで、ある程度のバランスや見え方が確認できるうえ、多数のバリエーションがあったとしても手軽に検証ができます。
Illustratorで作成したデザインデータ
3ds Maxでモデリング
3Dソフトで再現された十二面体カレンダー。複雑な加工であっても、短時間で検証用イメージが得られます。
複雑な加工を用いた印刷物の検証を行えることは、コスト・納期の圧縮だけにとどまらず、クリエイターの自由な発想を妨げません。
〈活用例2〉リアルなイメージで撮影写真の代替として
広告制作などにおいて、クリエイターが求めるイメージが無い時に、3Dソフトを活用できる場合もあります。
書籍の発売広告を例にとると、クリエイターが表紙部分のみの平面画像を使った案よりも、背表紙までついた立体的なビジュアル案の方が印象的だと判断しても、望むイメージ写真が手に入れられない場合もあります。書籍カバーの印刷データを3Dソフトでモデリングすれば、色々なアングルの書籍写真を作成することができ、撮影のコスト・時間がない場合でもクリエイターが望むイメージを再現できます。
Illustratorで作成したデザインデータ
3Dソフトで再現された書籍