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補色製版

「補色製版」は、一般的なカラー印刷で用いられる、C・M・Y・Kのプロセスインキ4色だけでは、再現しにくい彩度や明度をもつ色調を表現したい時に用いられる手法です。

通常のプロセスインキに、蛍光インキや特色インキをかけ合わせる(=補う)ことによって、プロセスインキだけでは濁ったり、沈んだりしがちな色調を鮮やかな発色で表現できます。

補色製版の手法は、ポスターや写真集などさまざまな印刷物で幅広く用いられていますが、特に鮮やかさや高彩度な色調を使用する、絵本やコミックのカバーなどで多用されています。
では、鮮やかなイラストを事例に、補色製版の版づくりを紹介します。

プロセス4色インキでの仕上がりイメージ
「奥のパステル色と手前の人物のビビットの色の差を出したい」
「顔や髪で使われている色は鮮やかにしたい。」
と、イラストレータさんから要望がありました。

プロセス4色+特色2色の6色補色製版の仕上がりイメージ
蛍光ピンク(DIC584B)を補うことで、蛍光インキ独特の発色によって、鮮やかな印象になっています。

6色製版における分色版

補色製版とプロセス製版を比較すると、その仕上がりの差は一目瞭然で、補色製版による印刷物は印象的な仕上がりになります。ビジュアルでより強くユーザへ働きかけたい場合などは、とても効果的です。

とは言え、補色製版は版数が増えるので、プロセス製版よりもコストが高めになる場合もしばしばです。漫画のイラストなどでは、主線部となる墨版をCMY3色のグレーで表現して、ビジュアルのポイントとなる人物イラストなどに特色を補う「墨なし4色」という手法を用いて、プロセス製版と同じ4色製版として、コストを抑える場合もあります。

アールプロセスでは、イラストから写真画像まで、補色製版を用いたビジュアルづくりを数多く手がけています。よりインパクトのある色調表現をお求めの際は、ぜひご相談ください。